『CIM(セラミックス射出成形)』の挑戦
私は元々、長年プラスチックの射出成形に携わってきました。
トウゴクセラミックでは、プラスチック射出成形の知識をベースに、約4年間『CIM(セラミックス射出成形)』と対峙しております。
そんな中で、今回は『CIM』製造で苦労する点について、お伝えしたいと思います。
①まずは、「ボイド」と呼ばれる製品表面に凸形状に膨らむ外観不具合が発生します。
更に『CIM』成形では絶えずその発生リスクを伴います。
この外観不具合の最大の特徴は、厄介な事に成形中に製品外観目視で判別することは不可能であり、焼成後、初めて判別可能となる点です。
この為、その対処方法として、多数のトライ&エラーデータを築盛・活用する事で「ボイド」の低減に取り組んでいます。
②次に、原料の顆粒ロット毎で原料流動性が変化し、直接製品外観に悪影響を及ぼし、その度に成形条件の調整が必要となります。
これは、プラスチック射出成形ではあまりなかった事になりますが、原料の顆粒ロットで原料の流動性がガラリと変わってしまい、セラミックスの主要な不具合である「ウエルド」「ボイド」が発生してしまいます。
「ウエルド」とは、金型内で溶融原料の合流部分が線状の跡となり、その部分が割れなどの起点となりうる不具合で、この「ウエルド」ラインを少しでも薄くすることが、製品の割れなどの低減に有効です。
対処方法としては、「ウエルド」に関しては成形直後でも検知できるので、解消できるまで成形条件調整します。
「ボイド」については、上述の①の方法で対処します。
その為、毎回原料ロット替わりには、必ず外観変化が起きると想定して、細心の注意を払いながら、成形します。
この様に、『CIM』とプラスチックの射出成形の違いを把握、対処、トライ&エラーデータを蓄積しつつ、品質の安定と向上に留意しながら、日々生産に取り組んでいます。
中水野工場 生産管理部 T.U