健康経営~健康経営優良法人認定の施策・実践~編
『健康経営』を導入するにあたり、まず、社員の生活習慣の現状を知る必要があります。
アクサ生命のご協力により、健康習慣アンケートを実施し、飲み物、食生活、運動、睡眠、喫煙、飲酒、ストレスなどの生活習慣の傾向を人数やパーセントで表示したフィードバック シートを作成していただきました。以後毎年、継続して健康習慣アンケートを行っています。
健康習慣アンケートにより、例えば、下記のようなこと
・朝食を毎日食べているか
・ウォーキングやスポーツなどの運動を週どれくらいしているか
・1日の平均睡眠時間や睡眠で休養がとれているか
・たばこを吸っているか
・飲酒は週に何日で飲酒量はどれくらいか
・悩みやストレスがあるか
など、質問事項があり、アンケート結果において、健康課題が明らかになります。
健康習慣アンケート結果を基にして、最初に健康づくりの環境整備から始めました。健康診断受診義務のないパート社員を除外することなく、全社員が就業時間内に健康診断を受診できるように実施日を事前に周知し、特にパート社員においては、出勤日調整や優先的に順番を早くし、受診できる環境づくりに取り組みました。
健康づくりの具体的な取り組みとしては、
1)健康診断後は、けんぽ協会の保健指導や地域産業保健センターの産業医と健康相談の面談を行い、健康診断結果についての医師の意見聴取報告書を作成してもらっています。
健康診断後の再検査・精密検査対象者に対しては、受診勧奨を書面で手渡し後、受診結果調査票の提出をお願いしています。
2)運動不足解消のために毎日朝礼後、ラジオ体操をしています。ラジオ体操は、短期的な効果は期待できませんが、運動するための基礎作りに良いことや1日僅か3分なので続けやすいです。
3)アクサ生命健康経営アドバイザーのサポートにより、健康増進メニューである24時間電話健康相談、メンタルサポート、アプリによるオンラインサービスが受けられる「健康経営サポートパッケージ」の利用ができるようになりました。
4)適時視聴できるように健康をテーマとしたアクサ生命WEBセミナーを毎年開催しています。今年のセミナーは睡眠についての内容で「良質な睡眠をとることは、心身の疲労回復、生活習慣予防、免疫力やメンタル耐性の向上など日常生活において様々な効果があり、記憶力や発想力の向上が望め、仕事面においても良い効果が望めます。睡眠の役割を正しく理解し、心身ともに健康な生活を送りましょう。」した。
5)毎月、けんぽ協会のメールマガジンとアクサ生命健康経営ワンポイントアドバイスのチラシを回覧しています。毎月健康づくりの情報提供をすることで、健康の重要性や日常生活においても健康を意識できます。
6)喫煙は喫煙規程を作成し、喫煙ルールの徹底をしています。違反した者があった場合、是正命令や始末書の提出を義務づけています。
7)感染対策では、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種を奨励し、接種者には半日特別休暇の付与を、インフルエンザ予防接種者には予防接種代金の補助を行っています。
8)コミュニケーション促進のため、全社員持ち回りでコラムを書き、会社のホームページのコラムまたはブログに掲載しています。社員名と提出期限を掲示することにより、定期的に掲載することができています。社員の人柄や考え方が表現されていて、質、内容が年々良くなってきていると感じています。社員のモチベーションアップになるよう、年度ごとに優秀者に表彰と報奨金を授与しています。
以上、主な項目について施策・実践してきましたが、最初からすべて順調に施策・実践に至ったわけではありません。社員からは面倒くさいことは避けたいとか、時間を割かれるのは嫌だとかといった意見がありました。いきなり強制的な施策を実施すれば、健康のためとはいえ、大きな反発を生みます。また個人的事情や業務状況において参加できない場合もあります。当初は各施策の認知度や参加率が低く、時間がかかりましたが、無理のない簡単なことから始めて、あきらめずに情報発信を継続していくことが重要です。
会社と社員が『健康経営』の必要性を理解し、会社が就業時間と費用を少なからず負担し、社員が施策を実践し健康であり続けること、それにより生産性が向上すること、その結果企業イメージアップなどのメリットが得られることで長期的に継続していくことができると考えています。
中水野工場 経理 T.S