変わることについて

唐突ではあるが、『大学』という書物に、殷(いん)という古代中国の王朝を創った湯(とう)という人物についての逸話がある。
それを読むと、彼は非常にストイックな人物であったことがうかがわれる。
自身が使う盥(たらい)の底に、「苟日新、日日新、又日新⦅苟(まこと)に日に新たに、日日に新たに、また日に新たなり⦆」という文字を刻み、毎日の洗顔の度に、自分は変化しているだろうか?成長しているだろうか?と自省自戒していたという。

「変わること」。それは、古今東西普遍の課題であるようだ。
内容はそれぞれ異なるが、当社にとっても私自身にとっても、この言葉は大きな意味を持っている。

当社にとっては、技術を次世代に確実に伝えること、そして、現在の製造業を取り巻く厳しい状況に対応するために、組織を変革していくことが、喫緊の課題である。
私が所属するプレスでも、講習会が行われ、製品のデータベース化が進められるなど、変化の兆しが見られる。

私自身については、「この会社を変えたい」という、採用面接での専務の言葉に半ば導かれるように中途入社をした。
2年が過ぎた今でも、プレスの操作に慣れることや製品の生産数・品質の維持向上で、精一杯の状態である。会社が掲げている技術の伝承や組織の変革に貢献するには、まだまだのレベルである。

上司や同僚の方々の知識・経験のレベルの高さや仕事の手際の良さを目の当たりにして、何も取り柄がない私は、幾度となく心が折れそうになった。その度に、彼らからのアドバイスやさりげない気遣い、叱咤激励などにより、励まされ癒され、何とか踏みとどまっている。
いろいろな人たちの支えによって、自分がこの会社にいられることを強く感じる。

話が少し逸れたが、冒頭に取り上げた湯王のように、緊張感や向上心を常に持ちながら生きていくのは至難のことである。
しかし、私のような凡人でも、小さいながらも目標や志はある。今後もあきらめないで、会社の変革に携われるように、自身の目標や志を果たせるように、より高いレベルに成長したい。
そして、いずれこの文章を読み返してみて、自分はこれだけ変われたのだ、成長したのだ、と具体的に言えるように努力していきたい。

最後になりましたが、ご一読いただき、ありがとうございました。

中水野工場 プレス部署 K.S

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