経験と技術が必要
一昨年の暮れ頃、私が担当している平研加工の量産品の注文が1年程止まるとの連絡が有りました。
他のアイテムの加工も有りますが、手の空く時間が出る為、その間、他の作業をする事になりました。
最初に配属(研修)になったのはセンタレス加工の作業です。
この加工に使用する機械は、かなり古い為、作業する人の技術が非常に大事になります。
製品を流すレーンの取り付け位置や僅かな寸法調整が非常に難しく、私が何分もかけて調整するのに対して、上長は一瞬にして調整してしまいます。
長年の経験と技術が必要だと感じました。
その後、日の出工場の2階で行われているプレス成形用の原料作りに配属(研修)となり、現在、メインで作業しています。
この作業は、含水率の管理が難しく、天気や季節による気温・湿度の変化によって、乾燥させる原料の量の増減や扇風機の使用の有無など、こちらも長年の経験が必要になります。
こちらの上長も一瞬にして判断出来るようです。
作業内容は、まずメインの乳白色のバインダーと水飴の様な透明のバインダー2種類と水、これらを混ぜ合わせた溶液を粉状の出発原料4種類(白い小麦粉の様なもの)と共にニーダーで混ぜ合わせるのですが、色合いや見た目がまるでパン生地の様な状態になっていて、ちょっとパン作りに似ていると感じました。
そう思うと、この原料がプレス成形機にスーと流れ綺麗に成形出来る様、(成形機にとってのどごしが良く美味しく食べて貰える様な)良い原料作りを目指したいと思いました。
少々強引な例え話となりましたが、パン作りもルツボ成形原料作りも、最終的にお客様へ届いた時のお客様満足度を考えながら作るのは一緒だと思います。
最後に、止まっていた量産品の注文が入って来ました。
今回の不測の事態により、他の作業に携わる事が出来たのは、自分にとっては非常に良い経験となり、また仕事の幅も広がり、僅かながらキャリアも増えました。
今後も少しでも会社にとって必要な人材になれる様、経験と技術を磨いて行きたい。
日の出工場 S.M