第七回 営業課「現場と客先を繋ぐ」

現場と客先を繋ぐ

「現場に聴く! 職人インタビュー」では、ホームページだけではお伝えしきれないトウゴクセラミックの製造や生産管理などの情報を、現場へのインタビューを通して皆様にお伝えします。

第七回は、営業部署の松永さんにお話を伺いました。

トウゴクセラミックでは、多くのラインナップを誇る既存製品、そして新商品の新規開発など、日夜、お客様から多くのお問い合わせをいただいております。
第一回から六回まで、当社の様々な部署の職人たちにインタビューを行ってきましたが、今回インタビューを行った営業部署は、お客様にとっても、「最も関わる機会が多い部署」なのではないでしょうか。

今回は、そんな製品がお客様のもとに届くまでの、言わば最初の工程、営業部署から、「現場の声」をお届けします。

この道40年、営業のベテラン

――本日はよろしくお願いします。まず、あなたの年齢、役職についてお答えください。

よろしくお願いします。松永です。
61歳。営業課の課長です。

――この仕事を始めて何年になりますか?

トウゴクセラミックへ来てからは四年目になりますが、営業という仕事を始めてからは、40年になります。

――こちらの仕事に就くまでどんな仕事されていましたか?

セラミックの耐火物を中心とした、メーカーに勤めていました。

――あなたの仕事の内容について簡単に説明してください。

新規案件の営業と見積もり、そして従来品の受注窓口、という二つが主な業務になります。

まさに、セラミック全般の営業に、と今はなっていますが、特に、新規のお客さんを増やしていこうと言う所からスタートしています。
新規のお客さんについては、形状や材質等の要望を図面化し、仕様を決定する等の打ち合わせをしながら、見積もりを提出して、受注に結び付ける仕事です。

――一般的な営業と聞いてイメージするものよりも、仕様定義や図面作成など、技術的な側面が多いですね。

そうですね。
そういう意味では、技術営業に近いかもしれません。

また、お客さんからのそのままズバリの図面が来て、「これは出来ませんか?」と言うものもかなり多いので、そうなった場合も、やはり当社で出来るか出来ないかという判断をしなくちゃいけません。
お問合せをいただいても、中には技術的に不可能な場合もあるので、その辺りの寸法公差や材質の問題、形状の問題というのは、打ち合わせになります。
その際に仕様の変更を提案させていただく形ですね。

問題は、社内の設備で出来るか出来ないかという判断、そして外部へ依頼する場合は外部委託業者さんの能力でそれが可能か不可能かという調整、その二つの調整を両方でしなくてはならない所です。

そこの確認の橋渡しは、かなり頻繁に行っています。

――では、従来品の受注窓口としての仕事はどのようなものでしょう?

今は、社長が専務だった当時に担当していた営業先やお客さんも一部、私の仕事になっています。
そのように社長から引き継いだものや、新規に受注するようになったもの、新しく私が見積もりを出して受注したものは、営業窓口として私が担当しています。

――あなたの一日のスケジュールを簡単に教えてください。

まず朝、7時前後に出社します。
一番に来ている、とは行きませんが、二番目には来ていると思います。

朝礼が始まる前に、当社は事務所が三階にあるのですが、フロアから三階までの掃除を行います。
掃き掃除とかモップがけとかですね。それは一応しようかな、と。
来ていただいた方に、良い印象を持ってもらえるように、という気持ちで掃除をしています。

その後は、皆さんと同じように、朝礼とラジオ体操ですね。
それが終わるとメールのチェックをして、色々と、見積もりなどの先ほど言った仕事に入ります。

一日のスケジュールは大体、そんな感じですね。

例外的なものだと、月に二回ほどは荷造り梱包も私の仕事です。
今日もこのインタビューの前に「昼から梱包しよう」と言われて行ってきました(笑)

――梱包の応援に行く事もあるんですか?

まあ、人それぞれ仕事を持っていますので、お互いにサポートしつつ、ですね。

当然、自分で受注した品物については、全部チェックを入れています。
品物を確認して、仕入先からの検査表をチェックして、開梱して見られるものは見て、もう一回荷物作り直して、ということで、その手配もしています。

当社のみで完結する製品については、あまり手を付けないようにしていますけど、外部委託業者さんを経由する場合は、そういった梱包にも関わっているものもあります。

本来、営業という仕事は、もっと商品を売りに外に出ていくものなのかも知れませんが、コロナ禍の影響もあり、あまりあちこちを歩き回って飛び込んで営業するのも、時代に合っていない雰囲気になってしまいまして。
既存のお客様に比重を置いた今の体制に落ち着いています。

現場とお客様を繋ぐ橋渡し

――あなたの仕事は商品が出来上がる上でどのような役割ですか?

新規品の場合は、設計、打合せ、製造手配と、実務外の様々な部分で関わっています。

先ほど言ったように、お客さんと当社の製造工場、もしくは外注さんとの、「繋ぎ」としての役割が大きいと思います。

あとは、ホームページ上にも力を入れている商品をお知らせしたり、従来のお客さんにも「こういうことが出来るようになった」というアプローチもしています。

――あなたの仕事は、社会でどんな風に役立っていますか?

お客様が要望される仕様の製品を製造する事で、商品化されて世に出回っていると思います。

先ほど言ったように、私の仕事は、お客様が商品化するにあたって、どうしても性能アップしたいだとか、どうしても絶縁性が要るだとか、耐摩耗が要るだとか、精度がいいものがいるだとか、そういった要望を、打ち合わせの中で仕様として定める部分も多いです。
そういった段階を通して、お客さんの製品が商品になるようにという所で役立っていればいいなと思います。

とは言え、当社の製品は一般的に目に見えて「これなんだ」という商品は釣り具のリールガイドくらいなもので、それ以外はおそらく目には留まらないものだと思います。
半導体を作るための道具だったり、そういうものが多いので、そのような「目に見えない商品」を通して社会に貢献出来ればと思います。

――特に密接に関わっている部署や役職はありますか?

製造課で行くと、プレスの人たちですね。
それから、出荷直前の検査課の人たちには、品質確認の面でずいぶんお世話になっていると思っています。

当然、その中間の部分でも皆さんと携わってはいますけど、「こういう商品が出来ますか? プレスで成形出来ますか?」というお問合せがあった場合、当社でプレス成形が可能か、それが可能なら加工工程でどのような処理が必要か、という話になってきますし、検査基準の関連になると検査課の方と打ち合わせになってきます。
なので、おおまかには、この三部署と密接に関わっていますね。

特にプレスの部署とは、今は社長と私が金型の図面を作成しているので、その取扱いの関係で話す機会は多くなっていますね。

――あなたの仕事は社内ではどういう立ち位置ですか?

お客様の意向を当社の工場に伝える。工場側の意向を製品に反映させる。この橋渡しとしての立ち位置だと思います。

今後は、現場の成形する方たちからも、注文になった図面を見て、「お客様の要望に応えるにはこうした方がいいんじゃないか?」 というような改善案や提案が、現場から上がってきやすいような体制作りもしていければ、と思っています。

やはり、当社の製品は、品物のその完成系というか、何に使われるんだというのが分からない人もいるし、わからない形状もあります。
もちろん、私も担当していなければ知らないものもあるくらいに、当社の製品ラインナップは多岐に渡っています。

特に新規の製品に関しては、「この製品は、こういうふうに使うので、ここは大事に成形してね」とか、現場に知り得ていることは伝えて、「あ、我々はそういうものを作っているんだ」というようにして行きたいな、と思っています。

逆に言えば、私も新たに入って来た人間ですから、自分が入社する前から製造されている品物の中には、何に使われているかがあまり理解出来ていないものあります。
その点については、自分から理解をして行く努力はしないとな、と思ってはいます。

――あなたは、周囲からどんな風に思われていると思いますか? また、どう思われたいですか?

……あのね、これは、わからないです。
本当にわからない。どう思われているんでしょう?(笑)

そういう意味では、「後ろ指さされなきゃいいや」と思いながら、気にしない事にしています。

ただ、私は「優しい人」がいい人だとは、思っていないんですよ。
「ずるい人」とは思われたくないな、というのがあるので、その人の為に厳しく意見する必要がある時は、そうします。
……裏を返せば、厳しいことを言った時は、「あの人っていい人なんだな」と思ってもらえたら(笑)。

――この仕事をしていて、特に苦労したエピソードがあれば教えてください。

人も製品も、思うようにはならない、という事ですね。

本当に世の中、思うようにいかないもので、「こうならなければいいなあ」と思っているものは、大体なるんですよ。
お客様との打ち合わせで、「こっちの方向で進むと製造が難しい製品になるぞ。そうならないといいなあ」と思っていたらそっちの方向で話が進んでしまったり、難しい製品を開発している時に「トラブルが起こらないといいなあ」と思っていたら、起こったり。(笑)

「こうならないといいけどな」と思うと、そっちにいくんですね。
とは言え、それは世の中当たり前の事だし、仕方ないなと思っていますけども。

――この仕事をしていて良かったと思う事は何ですか?

40年弱、営業という仕事してきた事もあり、いろんなお客様と知り合えて、各業界のいろんな人に会えた事。これは本当に知識も増えたし、良かったと思っています。

個人的には、47都道府県、全てに行くことが出来た事です。
五年くらい前に、とりあえず行けたかな。プライベートも含めてですが、仕事で行けた場所もかなりあったので、そこは良かった点です。

それから、やっぱり最終的には、「お客様が喜んでくれた」というのが一番良かった事です。
製品が完成した時に、「お陰様で」と言ってもらえるのが、一番嬉しいですね。

技術と精神の伝承

――これからの仕事の展望について教えてください

今、当社では、若い世代や中途採用者など、未経験者が多く入社してきています。
世代交代に伴う技術の伝承、理解を推し進める中で、当社の体制もより良くなっていけば、と考えています。

私自身も、営業や図面作成に関する手引き書を自分で作って、いつでも誰でも見られるようにしてあります。
これは、あまりにも仕事のボリュームが多すぎて自分でも覚えきれないから紙に落とす、という側面もあるのですが、誰でもできるように、いざという時に誰かが引き継げるようにしておくと言う施策の一つですね。

このような「マニュアル化がすべて」だとは思いませんが、やはり、誰でも同じ仕事が出来るように、説明すれば誰もが同じ、レベル、意識になれるような状態になってくれればなと思います。

その第一歩として、現場の方には先ほど言った「この製品はこんな事に使われているんだよ」というような情報を、出来るだけ伝えるようにしています。
仕事に対して、愛着や楽しさを持ってもらえるような入り口のところを、少しでも伝えられればなと。

やはり、「心を込めて仕事をする」ということが大事で、そうすれば、アイディアとか方法というのは、また無限に出てくると思っているんですよ。
そういったモノづくりの精神というものも、若い世代に伝えていきたいですね。

――職場の雰囲気はどうですか?

私の関わる範囲は、いい雰囲気ですね。
皆さん前向きで、人間関係は非常に良好です。

――ここ数年で仕事の内容に変化があれば教えてください。

ご存じの通り、経営者の世代交代、そして先ほど話した若い世代が入社する事による世代交代の波があると思います。

それから、直近の設備導入では、電気式バッチ炉が三基、メカプレス機が二基、新たに導入されたので、当社の生産能力や効率は、より良くなっていくと思います。

――普段仕事をしていて、特に感謝している人や部署、制度などはありますか?

社長をはじめ、経理の方や、工場長には本当にお世話になっています。
もちろん、普段関わっている現場の製造の方々にも感謝していますが、特に経理の方には、技術だけではカバーしきれない、会社の運用、運営といった部分でサポートされていると感じています。

技術も、会社運営も、営業も、全部一人でやる事は難しいですから、経営面のサポートを行う人が居る事の有難さを感じていますし、素直に「すごいな」と思っています。

――最後に、このインタビューを見た方へメッセージがあればお願いします。

ご注文やお問い合わせを受ける際は、私が窓口となる事もあるかと思いますが、お手やわらかにお願いします。


今回は営業部署の松永さんにお話を伺いました。
実際にお話を伺ってみると、当社の製品を扱ってもらうためには、お客様と現場を繋ぐ架け橋である営業も、なくてはならない仕事の一つだと改めて感じる事が出来ました。
お客様の中にも、実際に松永さんとお話をされた事があり、「こんな仕事をしているんだ」と新たな発見があった方も多いのではないでしょうか?

プレス製造課から始まり、全七回でお送りいたしました、「現場に聴く! 職人インタビュー」、いかがでしたでしょうか?
様々な職人たちの「現場の声」は、普段当社の製品を手にするお客様にとっては、中々見る機会の少ない、新鮮なものだったかもしれません。
今回のインタビューが、当社の製品に愛着を持っていただけるきっかけになっていれば、幸いです。

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