第六回 経理・総務「会社運営のサポート」
「現場に聴く! 職人インタビュー」では、ホームページだけではお伝えしきれないトウゴクセラミックの製造や生産管理などの情報を、現場へのインタビューを通して皆様にお伝えします。
第六回は、経理総務部署の宮地さんにお話を伺いました。
トウゴクセラミックでは、セラミックス製品の少数試作から量産まで、日夜多種多様な製品を製造していますが、お客様のもとへ製品が届くまでには、製造ラインや品質管理、出荷業務だけではなく、それらの職人たちを支える福利厚生や数字のプロたちが関わっています。
今回はそんな製造の職場環境を支える裏方、経理総務部署から、製品と直接関わる事がないからこそ見えにくい、違った視点からの「現場の声」をお届けします。
入社二カ月、経理総務の新入社員
――本日はよろしくお願いします。まず、あなたの年齢、役職についてお答えください。
よろしくお願いします。宮地と申します。
年齢は45歳です。まだ入社して二ヶ月がようやく過ぎたところです。
具体的な役職はまだありませんが、経理と総務を担当しています。
――こちらの仕事に就くまでどんな仕事をされていましたか?
他の業界ではありますが、20年あまり経理総務の仕事をしてきました。
――では、他業種ではあるものの、経理総務のお仕事は共通していますね。
そうですね。
求人募集要項の内容が、色々と実務経験が求められるもので、とてもやりがいを感じたことから、入社させていただく運びとなりました。
――トウゴクセラミックで働くようになって特に驚いた事などはありますか?
そうですね……。
上長が非常に細かい財務資料を作られていたので、「ここまで詳細な分析を行っているのか」と驚かされると同時に、とても勉強になっています。
――あなたの仕事について簡単に説明してください。
経理総務というのは、会社の財務、つまりお金の出入りを管理する事が基本なのですが、現場から上がってくる実績(納品書や請求書など)をもとに、月単位や年単位で情報をとりまとめ、試算表や決算書の形で自社の財務状況を経営者に報告します。
また、その蓄積された実績データをもとに資金計画の資料を作成するなど、今後の経営判断の材料を提供する。
そう言うと難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば、「会社のお金が回るようにやりくりして、今後の将来設計に役立つ情報をつくっていく」という仕事です。
――あなたの一日のスケジュールを簡単に教えてください。
一日の流れとしては、朝一番に口座の入出金を見て、予定通りの資金繰りであるかを確認し、前日までに届いた納品書や請求書とともに、帳面(会計ソフト等)に記帳していきます。
また、今後は、勤怠管理としてタイムカードの確認や休暇管理なども行っていきます。
その他は……今だと、ちょうど前月の会計が締まってきますので、月次の総まとめとして試算表や資金繰り表の作成を行っています。
私はまだ一年を通してのワンサイクルを見ていないので、まだちょっと覚える事が多いな、という印象です。
先ほど言った資料作成なども、上長の方にチェックしていただいて、問題点があればご指摘いただいたりと、教えてもらいながら、といった感じですね。
「仕事外の部分」をサポートする業務
――あなたの仕事は商品が出来上がる上でどのような役割ですか?
「直接製品に関わる」ということはあまりありませんが、会社の経営戦略を立てるための財務面からのサポートと、社員が仕事に専念出来るよう職場環境面からのサポート、という二つの役割を持っていると思います。
――財務面のサポートと、職場環境面からのサポートの二つの役割があるという事ですね。では、経理総務の「総務」の部分となる後者については、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
社員の皆さんの勤怠管理から始まり、作業服など必要な備品の準備、万が一怪我した時はどうなるかとか、社会保険の各種手続きなど幅広い業務があります。
社員が仕事に集中できるように、こういった「仕事外の部分」をサポートする業務になります。
作業に専念するために、外部の細々とした事で悩まないように導いてあげる仕事、と言っていいと思います。
――あなたの仕事は、社会でどんな風に役立っていますか?
私の業務上、間接的にではありますが、トウゴクセラミックはケミカル産業、半導体装置産業、医療産業等、幅広いニーズに対応していける会社ですので、当社の製品が世に出ていく上で、少しでも貢献していけるとよいなと思っています。
――特に密接に関わっている部署や役職はありますか?
「特に」と言うと、会社の経営における機密資料等を扱うので、一番関わるのは社長ですね。
他部署には総務の立場から、職場環境面のサポートとして、多く関わっています。
「合っていて当たり前」という仕事
――あなたの仕事は社内ではどういう立ち位置ですか?
先ほどの話と重複してしまいますが、会社運営におけるサポート部署になると思います。
入社して間もないので、まだ上長に教えていただいていますが、数字面ですと、現場からもらった情報を実績として整理し、望まれる資料を現場にまた打ち返してあげる仕事になるんですね。
「今、会社はこんな状態ですよ」と、現場からもらった情報をフィードバックするというか、そういう立ち位置になります。
また、経営者である社長に対しては、社員にも言えない機密の数字をもって、会社の現在の状態を見てもらうための資料を提供する、という「機密資料を扱う部署」という側面も持っていると思います。
――あなたは、周囲からどんな風に思われていると思いますか? また、どう思われたいですか?
経理総務は、こういう「堅い部署」なので、まずは信頼を得たいですね。
皆さんの、まさに個人情報を扱う部署なので、責任は強く感じています。
簡単に「あいつ口軽いな」とか、そういう風に言われるようじゃダメなので(笑)
「あの人に任せとけば間違いないな」、「相談できるな」と言われるような人になっていきたいですね。
――この仕事をしていて、特に苦労したエピソードがあれば教えてください。
数字を扱う以上、経理は「合っていて当たり前」という仕事なので、その辺に神経を使いますね。
経営の判断に使っていただく材料は、信頼できる資料の提示が前提なので、細心の注意を払っています。
実績をいかに早くフィードバックして軌道修正していけるか、というのも大事ですね。
また、企業機密や個人情報を取り扱う部署でもありますから、責任の大きさを自負しています。
――この仕事をしていて良かったと思う事は何ですか?
やはり、経理の仕事をするようになって良かった事は、財務の面から経営に関われている実感がある事ですね。
財務情報、実績などの数字をまとめて、それを会社の経営判断で使っていただく事には、達成感があります。
また、経理総務の仕事をしていると、会社をとりまく様々な事に関わることが多いことから、法務など幅広い知識が身につくところも、良かったと思いますね。
現場を知り、「活きた数字」を扱いたい
――これからの仕事の展望について教えてください
まずは一年を通しての業務のワンサイクルの流れを経験しないといけないですね。
その後は、経理としてコスト削減や業務効率化の提案等を行って会社に貢献していきたいです。
総務の仕事としては、やっぱり、会社の福利厚生がしっかりしていると社員も安心して働けますので、そういった事に今までの経験を活かしていきたいですね。
また、自分に対してなんですが、まず早く現場を理解しないといけないな、と。
現場の業務内容を知ってこそ活きる数字ですから、数字だけ先走る事なく、現場の方とコミュニケーションを取って、現場の情報を的確に把握できるようにしたいな、と思っています。
――職場の雰囲気はどうですか?
職場の皆さんは、いつも笑顔で挨拶してくれますし、質問したことにも、すぐ答えてくれたり、対応してくれたり、コミュケーションで困った事はないですね。
私から質問するだけではなく、タイムカードの事とか、休みの事とか、お弁当の事とか、些細な事なのですが、現場の方からも質問してくれますし、すごくありがたいと思っています。
今後も、現場の方から話しかけられやすい雰囲気にしていきたいですね。
――ここ数年で仕事の内容に変化があれば教えてください。
当社に限らずですが、このコロナ禍で、業務のIT化がどんどん進んでいます。
特に、経理総務の仕事は、まさにIT化の過渡期です。
そうしたITの技術については、抵抗するのではなく必要なものを見極め、良いものはどんどん取り入れ、効率良く仕事をしていかなければならないと感じています。
IT化によって人手が不要になるのではという見方もあるのですが、その分、現場に足を運び、現場をよく知り、活きた数字をフィードバックする、まさに「提案」の部分に力を注いでいきたいと考えています。
――宮地さんのお話を聞いていると、経理総務という仕事に対しての熱意が感じられますが、何かきっかけはあったのでしょうか?
以前、税理士事務所に勤めていたころは、税法を通じての会社の外からの経営への参加でした。
次第に、外側からではなく、会社の中から経営に参加していきたいという思いが強くなったことがきっかけでした。
――仕事をする上で、これだけは譲れない、というような「こだわり」はありますか?
繰り返しになってしまいますが、企業機密や個人情報の取り扱いには、本当に気を付けています。
一度でも間違いを犯したら、この仕事は二度としてはいけないという覚悟でいます。
――普段仕事をしていて、特に感謝している人や部署、制度などはありますか?
入社して右も左もわからなかった頃に、皆様には温かく声をかけて頂き、現場や製品の事、会社の事全般を教えていただくなど、話しかけやすい環境には感謝しています。
――最後に、このインタビューを見た方へメッセージがあればお願いします。
求人向けのメッセージになってしまうのですが、
興味がある方は、まずは一度、当社に見学をしに来てください。
実際に動いている機械を自分の目で見て、工場の熱気を肌身に感じていただくことで、より一層、仕事に興味を持っていただけるかと思います。
今後も、会社見学など、どんどん来てもらえるような環境にしていきたいと思っています。
今回は経理総務部署の宮地さんにお話を伺いました。
実際にお話を伺ってみると、トウゴクセラミックが誇る福利厚生や、製造を支える職場環境は、数字と情報を扱うプロによって支えられている部分も大きいのだと改めて気付かされました。
宮地さんの数字だけではなく現場を重視する姿勢は、強い責任感やプロ意識と共に、インタビュアーの印象に残っています。
次回は営業部署の松永さんのインタビューを掲載予定です。次回の更新をお楽しみに。